しいたけはさまざまな料理に活用できる便利な食材ですが、時折色が変化することがあります。
しいたけの白い色はカビではないですが、緑や青っぽい色になっていたらカビによるものです。
この記事では、しいたけに見られる白い変色がカビなのか、また緑色、黒色、茶色に変色したしいたけは腐っているのかどうか、見分け方と適切な保存方法について解説します。
しいたけの色変わり:白、緑、黒、茶色は問題ないのか
しいたけの色の変化について、それがカビかどうかをご説明します。
しいたけに見られる白いものはカビ?
しいたけの白い部分は気中菌糸と呼ばれ、カビではありません。
しいたけの主な部分は目に見えない菌糸です。
この菌糸は枯葉や倒木を分解して生存します。
私たちが食べる「しいたけ」とは、この菌糸から成長する子実体のことを指します。
しいたけを収穫すると通常は菌糸の活動が止まりますが、まれに活動を続けることがあり、その結果、しいたけに白いものが現れます。
これは特に冷蔵保存でよく見られる現象です。
しいたけに出現する緑色はカビのサイン?
しいたけが緑色に変わるのはカビの兆候です。
これは青カビによるものです。
一般に、青カビと言えば青い色を思い浮かべますが、実際は緑色や青緑色に変わることもあります。
例えば、ブルーチーズに使用される青カビは、実際には緑色を帯びています。
しいたけの緑色も同様の現象です。
しいたけが黒くなったり茶色くなったりするのはカビ?
しいたけが黒や茶色に変色した場合、カビではありませんが、食べることはお勧めできません。
黒い変色は品質が大きく劣化し、腐敗している可能性があります。
茶色く変わった場合はまだ食べられる可能性がありますが、風味や味は落ちています。
しいたけの鮮度チェック:腐敗のサインを見分ける方法
しいたけが傷んでいるかを判断するための具体的なポイントを紹介します。
- 臭い・・・普段のしいたけの香りと異なり、カビの臭いや酸っぱさ、焦げ臭さが感じられます
- 感触・・・しいたけに水分が多く、触るとぬめりを感じることがあります。また、断面から液体がにじみ出ることもあります
- 傘の色・・・通常の茶色や白色以外の色になります
- 付着物・・・青緑色の粉状のものや、白い粉状のものが見られる場合
それぞれの項目について詳しく解説します。
臭いの変化に注目
しいたけが腐ると、最初に臭いが変化します。
新鮮な時は良い香りがしますが、腐敗が進むとカビ臭や焦げ臭、酸っぱい臭いに変わります。
変化した臭いは、少し近づけるだけでも感じ取れます。
感触での判断
しいたけが古くなると水分が増えます。
表面がぬめっていたり、断面から水分が出てくる場合は、腐敗している可能性が高いです。
傘の色の変化
新鮮なしいたけの傘は表面が茶色で、裏面は白いものが多いです。
これらの色以外に変わった場合、鮮度が落ちて腐敗のサインかもしれません。
特に傘の表面が黒く変色したり、裏面が黄色くなったりするのは腐敗の兆候です。
付着物の有無
青緑色の粉状の付着物がある場合は、カビによる腐敗の証拠です。
白い粉状のものが見られる場合、白カビの可能性がありますが、フワフワとした状態なら気中菌糸の可能性があり、まだ食べられることもあります。
ただし、広範囲に付着している場合はカビの可能性もあります。
しいたけの上手な保存方法と期間
しいたけの鮮度を保ち、美味しく楽しむための保存方法とその期間について解説します。
しいたけは鮮度が大切な野菜の一つです。
適切な扱いと保存が必要です。
常温での保管
通常、スーパーでは常温で販売されることが多いですが、しいたけは基本的に常温保存を避けた方が良いです。
もし常温で保管する場合は、風通しの良い涼しい場所に置くことが大切です。
しいたけは水分を多く含むため、湿気に弱いのです。
季節によって適切な保存方法が変わります。
春や秋のように風通しが良く、気温が適度な時期や、冬のように湿度や気温が低い時期なら短期間は常温でも保存できますが、初夏や夏のように湿度や気温が高い時期は避けてください。
通常の常温保存での賞味期限は、春や冬では約1週間、夏は半日程度です。
冷蔵庫での保存
購入後、しいたけは新聞紙やキッチンペーパーで包んでビニール袋に入れ、冷蔵庫で保管します。
野菜室が最適ですが、無ければ冷蔵室でも問題ありません。
軸を上にして保存すると、胞子の飛散を防ぎ、保存期間を延ばすことができます。
ただし、ビニール袋やラップで密封すると、水滴がついてしいたけが腐ったりカビが生える原因になるので注意が必要です。
冷蔵庫での保存期間は約1週間です。
冷凍庫での保存
しいたけは、石づきを切り落として密封袋に入れ、冷凍庫で保存します。
調理に応じてスライスするなど、事前に切っておくと使い勝手が良くなります。
冷凍すると、細胞壁が壊れ、旨味成分や栄養素が増え、風味が向上します。
また、味が染み込みやすくなり、調理時間の短縮にもつながります。
使用する際は、解凍せずに凍ったまま料理に使います。
水分が多いため、解凍すると食感が悪くなることがあります。
冷凍保存では、最短で1ヶ月から最長で1年間保存が可能です。
しいたけの乾燥保存法
しいたけの乾燥保存は、新聞紙やザルを使用して行います。
しいたけの傘部分を下向きにして並べると、保存期間が延びます。
外での天日干しや、家の中の窓辺での乾燥も効果的です。
夏場は1日、冬場は数日の天日干しが必要です。
乾燥させたしいたけは、乾燥剤を入れた密封袋で冷暗所に保管すると、1年から2年程度長期保存できます。
使用時には水で戻し、戻し汁も料理に活用しましょう。
ただし、一度水に戻したしいたけはすぐに使用し、長期保存は避けてください。
美味しいしいたけの選び方
美味しいしいたけを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 傘の状態・・・色と形
- 軸の状態・・・長さと太さ
傘の色
傘の表面が茶色く、裏側が傷がなく白いしいたけは新鮮で美味しいです。
裏面の白い膜や筋の整い方も新鮮さの目安になります。
傘の形
傘が完全に開いていない丸みを帯びた形のしいたけは、旨味が豊富でおいしいです。
傘が6割から8割開いているものが最も美味しいと言われています。
傘が完全に開くと胞子が放出され、旨味や香りが減少します。
軸の状態
軸が短くて太いしいたけは、美味しいとされています。
しいたけの軸の太さや長さは育成環境によって異なります。
短く太い軸は、しいたけが理想的な温度差と湿度の中で育ったことを示し、これが風味の良さにつながります。
しいたけの調理時における3つのコツ
しいたけを美味しく調理するための、3つの重要なポイントを詳しく解説します。
水での洗浄は控えめに
しいたけは水に弱く、長時間水に浸すと鮮度が下がり、保存性も損なわれます。
また、しいたけ特有の香りや栄養素、旨味が水に溶け出すリスクもあります。
汚れが目立つ場合は、布巾などで軽く拭き取る程度で十分です。
どうしても洗う必要がある場合は、手早く軽く洗うに留めてください。
加熱時間は短く
しいたけを長く加熱しすぎると、栄養素の損失や香りの減退が起こります。
しいたけの香りは酵素によって生成されるため、長時間の加熱は風味を低下させる原因になります。
しいたけを加熱する場合は、中火程度(約60℃~70℃)での調理が適しています。
さらに加熱時間を短縮するためには、電子レンジを使うのも良いでしょう。
500Wで約2分が目安ですが、加熱具合に応じて時間を調整してください。
しいたけは熱が通りやすいので、低めの温度でも問題ありません。
切り方に工夫を
しいたけを切ることで、硬い細胞壁が壊れ、栄養素が吸収されやすくなります。
また、細かく切ることで熱が均等に通りやすく、加熱時間を短縮できます。
薄切りやみじん切りはもちろん、料理のタイプや好みに合わせて切り分けると良いでしょう。
特にそぎ切りは表面積が増え、熱が通りやすく、味も染み込みやすくなります。
また、しいたけ本来の食感を活かすこともできます。